モルディブでの活動
インド洋に浮かぶサンゴ礁の島嶼国。 約1200の小さい島々からなる国で、人口は30万人ほど。 青年海外協力隊の活動は、周囲約4キロの島、首都マーレにある国立放送局でテレビ制作の指導をした。
最初はテレビで放送する時計の秒針が5秒、10秒くるっていることに「正確に」などと指摘していた。 島での暮らしが長くなるにつれ、何秒かのくるいもここでは問題にならないことが分かってくる。 暮らしになれ、人になれたころから現地の人のために役立つ仕事ができるようになってきた。
インドに近いモルディブでは、インド映画のように歌って踊ってのドラマ作りは上手だった。 でも国内で作られるドキュメンタリーはほとんどなく、その方面で力を入れることにした。
首都の島マーレには地方の島からたくさんの人が仕事や学校のために来ていた。 そんなことから遠く離れた島の今を伝えるシリーズ「島影」や島で暮らす少女の日々を追ったものなどドキュメンタリー番組を制作し、放映した。 今までなかった番組だったので、多くの人々に喜ばれた。
ほかに、識字率を高めるための番組や観光で訪れる外国人はモルディブに何を期待しているかというような番組をつくった。 最後にはお別れの会も開いてもらい、いくらか同国に貢献できたのかと思っている。
昭和63年2次隊モルディブ・放送 高橋宏昇